中東市場の魅力
オープンで魅力的なマーケット
豊富な天然資源を背景とした巨大な富裕層マーケットを抱える中東地域。ここではその溢れる購買力を向ける先が常に求められています。アラビア語、イスラム教といった文化的な同質性や、湾岸協力機構(GCC)、大アラブ自由貿易地域(GAFTA)といった地域協定の発足によるマーケットの一体性もこの地域の特徴です。これにより、中東から北アフリカ地域には人口2億8千万人、市場規模6,000億ドルの巨大市場が広がっています。
また自国産業が乏しいこの地域の国々は、外資企業の進出に対し非常にオープンな政策をとっており、免税などの各種優遇制度も整備されています。
「日本産」への高い評価
歴史的に親日国が多く、また高品質な商品を求める傾向のあるこの地域の人々の間では、日本産商品は非常に高い評価を獲得しています。たとえばサウジアラビアでは、トヨタ製自動車が40%以上のシェアを獲得しています。これは日本におけるシェアに匹敵しており、アメリカや中国(ともに15〜20%程度)とは大きな差があります。一方、日本の商品やサービスが中東地域へ展開する例はまだまだ少ないため、各国のバイヤーは日本産商品に高い関心を持っています。
このように、中東地域は日本企業にとってチャンス溢れるマーケットになっています。
中東地域の代表的な国々
またドバイは貿易ハブ・交通ハブとしての機能を有していることから、世界中から毎年1,000万人以上のバイヤーや観光客が訪れます。このことから、この地域で成功を収めることで周辺の地域や国への展開が容易になります。
ビジネス環境としても、中東地域で最も欧米化の進んだ国で、先進的な経済政策と安定した政治体制を備えており、既に多くの外資企業が同国に進出しています。
同じイスラム市場として注目される、東南アジアのインドネシアと比較するとGDPでは若干下回るものの、一人あたりGDPは約7倍となっており、購買力の高さと規模を併せ持っています。
周辺国からの出稼ぎ労働者も多く、また毎年メッカ巡礼のために100万人以上のイスラム教徒が訪れることから、この国で売れる商品は他の中東諸国でも人気が出やすい、という傾向があります。
一方、イスラム教には厳格な国であることから、同国進出にあたってはマーケットの特徴や規制を押さえた対応を行うことが必要です。
2006年には26%、2000年〜2012年の間で350%という驚異的なGDP成長率を達成し、その様子は「中東の奇跡」と呼ばれ世界中から注目を集めました。
2012年以降は3〜5%程度の堅調な成長率で推移しているものの、2022年にはサッカーW杯も開催予定であることから引き続き注目を集める新興富裕国です。
2011年に発生した東日本大震災の直後に1億ドルの対日支援供出を表明するなど、親日的で日本との絆が非常に強い国であることも、この国の特徴です。
2016年1月に、35年続いた経済制裁の大幅緩和を迎えたことからこの国が今、大きな注目を集めています。
もともとサウジアラビアと同程度のGDP規模であることに加え、高度な教育を受けた国民(大学進学率66%)、年率8%成長を目指す政府の野心的な計画といった事実を受け、今後の成長を期待した各国の企業が既に進出準備を始めています。