UAE外資規制緩和最新情報/外資100%保有可能ポジティブリストの状況
Array弊社が提携関係にあるドバイ政府機関、Dubai FDI主催による「Public/Private Connect 2019」という小規模セミナーが6月18日に開催され、ここでMinistry of EconomyからFDI法改正の最新状況についてのプレゼンテーションがなされました。
昨年5月にドバイ首長兼UAE首相であるシェイク・モハメッドにより外資100%保有を認める外資規制緩和を行うという宣言がなされて以来、具体的にどのような規制緩和がなされるのかについて注目が集まり、特に過半から100%保有を認める産業をリスト化したポジティブリストの発表が待たれていました。
規制が緩和されない産業のリストであるネガティブリストについては、昨年10月に公表されましたが(UAEで新たな海外直接投資法(Foreign Direct Investment Law)が導入)、ポジティブリストは昨年末までに発表される予定だったものが現在まで発表されておらず、また、その内容に関しても様々な憶測がなされてきていました。
このような状況の中で、今回のMinistry of Economyからのプレゼンテーションは非常に興味深いものでした。
まず、公開の時期に関しては、ポジティブリストの案は現在内閣からの承認を待っている状況であり、今年の7月もしくは8月には承認が下りて公開される予定だそうです。
そして何よりも重要なその案の内容については、下記の産業がリストに載る見込みとのことです。
・農業セクター
・産業セクター(特に食品、飲料、衣料及びその他製造業)
・サービスセクター(特に教育、健康、観光、環境分野など)
ここから分かる通り、ポジティブリストに載る産業はそれほど多くはなく、UAEが国として目指している産業多角化に貢献できる産業が中心となっています。
しかし、この中には日本企業が強みを発揮できるものも多く含まれているものと考えられます。
例えば植物工場事業などはその良い例と言えるでしょう。
また、食品加工などの製造業についても、日本企業は大きな強みを持っているものと考えられます。
UAEで独資にて製造業を展開する場合、これまではフリーゾーンしか立地の選択肢がなく、その場合UAEもしくはGCC諸国に対して販売を行う際に5%の関税が課せられていました。
しかし、この規制緩和により内地にて独資で製造業が展開できるようになれば、製品をGCC諸国で販売する際に関税がかからなくなるため、このメリットはかなり大きいものと考えられます。
このように、製造業の企業様にとっては、この規制緩和がUAEや中東での現地製造を検討される良いきっかけになるかもしれません。
ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEやアブダビ政府にも幅広いネットワークを持ち、UAE・中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、政府に対する働きかけのサポートといったご支援をさせて頂いております。
UAEへの進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問合せください。