UAEの医薬品市場 アブダビはジェネリック医薬品を本格導入へ
Array UAEの医薬品市場は、GCCではサウジアラビアに次いで二番目に大きく、2016年には約2,600億円に達しています。UAE内で供給されている医薬品は72ヵ国から輸入されており、全体の約80%はイギリス、スイス、ドイツなどのヨーロッパ勢と、アメリカ、オーストラリアの10ヵ国が占めています。
国内での製造規模は小さく、保健省は2017年時点で16箇所あった製造施設を2020年までに30箇所に増やすと発表しています。
また2017年6月、保健省は調剤や医療部門の発展のためにドバイのJebel Ali Free Zone Authority (Jafza)と覚書を交わしています。
この契約では、UAEは2021年までに75の製薬会社をJafzaに誘致し、新薬を製造する現地の製薬会社の数を2倍にすることを目標としています。
一方でジェネリック医薬品の活用も推進されています。
アブダビの医療機関では医療制度の費用対効果を高めるため、9月1日からジェネリック医薬品の本格導入が始まりました。
ジェネリック医薬品にも医療保険が適用される様になり、また薬剤師は患者に、ブランド薬と同じ効果を持つジェネリック医薬品の情報提供を行うことが義務付けられました。
患者は薬剤師とコミュニケーションを取った上で処方箋を選択することができる上、ジェネリック医薬品の金額はブランド薬の5分の1で済みます。
UAEの医療保険の専門家は以前から、医師によるジェネリック医薬品の処方を促進する様に保健省に求めていました。
なぜならジェネリック医薬品はブランド薬と同じ位効果があり、かつ約670億円を削減できると想定されているからです。
また医薬品費用の削減は、健康保険のクレジットカードを持つ患者にとっても効果が高いと言われています。
カードには薬局での使用金額は年間で約5万円程度という上限があり、ブランド薬品を定期的に購入し続ける人はすぐに上限を越えてしまうのです。
UAEでの新薬の特許権は5年から25年存続しますが、一度特許が切れると他社は自由に複製、製造し安価で販売することが可能となります。ジェネリック医薬品の使用はUAEの人々にとってまだハードルが高いものですが、アブダビ政府の施策によって普及率は徐々に高まっていくでしょう。
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