中東ビジネス最新情報 ・2021年2月16日

UAEの火星探査機「HOPE」火星に到着

日本時間2021年2月10日午前1時頃(UAE時間2月9日午後8時頃)、2020年7月20日に日本の種子島宇宙センターから打ち上げられたUAEの火星探査機「HOPE」が、無事火星の周回軌道に投入されました。同時刻、ドバイにある高さ世界一のビル「ブルジュ・ハリファ」は、ビル全体が赤色にライトアップされ、また、街中に掲げられた大スクリーンではロケット打ち上げ時の動画が流されるなど、UAE全土でコロナの倦怠ムードも吹き飛ぶ大きな盛り上がりを見せました(参照:‘Mission accomplished’: UAE Hope Probe successfully enters Mars orbit (alarabiya.net))。

「HOPE」は、2020年7月の記事でも紹介した通り(参照:2020年7月22日記事)、三菱重工業のH2Aロケットにより打ち上げられました。今回の「HOPE」火星到着の成功は、日本とUAEの最先端技術協力の結晶が実ったともいえる偉業です。今後「HOPE」は、2~4年の歳月をかけて、火星の大気や環境を観測し、UAEが掲げる2117年の火星都市の建設に向けた壮大な構想への礎を築くことが期待されています。

また、UAEは、2020年のHOPE打ち上げと軌を一にして「Arab Space Pioneers」プロジェクトを立ち上げ、宇宙研究への支援・援助を目的とした研修生の選抜を始めました。37,000人を超える中東全域からの応募者の中から選ばれた10名は、今回の「HOPE」火星到着に先駆けて発表されました。研修生は全員18歳未満で、サウジアラビア、エジプト、シリア、ヨルダン、アルジェリア、コモロなど、様々な国籍の学生で構成されています。彼らには今後、UAE大学での科学技術分野での修士号、博士号取得に向けての支援や、宇宙研究所での研究の機会が与えられます(参照:UAE Space Agency announces 10 winners to join Arab Space Pioneers Program – Saudi Gazette)。

UAEのこうした取り組みは、同国が先陣を切って、中東全域にわたる先端技術の開発と若者への投資を進めていこうという、強いイニシアティブの現れであると考えられます。今回の三菱重工業のロケットを始めとして、今後も日本はUAEと協業し、中東地域全般にわたって先端技術分野における大きなビジネスチャンスが得られると考えられます。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAE及び中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。


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