UAE/ドバイにおけるポスト新型コロナを見据えたビジネスチャンス
先週の6月15日に、JETROドバイ様主催のウェビナーにて、「UAE/ドバイにおける新型新型コロナウィルスによる影響と今後のビジネスチャンス」について講演をさせて頂きました。この講演では、ドバイの現状やドバイ政府の財政状況、そして今後のビジネスチャンスといった幅広いテーマについて話をさせて頂きましたが、その中でも特に中東地域に位置するUAE/ドバイ特有のビジネスチャンスとしての、食糧安全保障関連のビジネスにつき、多くの方々より関心を寄せて頂きました。(この講演資料はこちらのページよりダウンロードいただけます。)
UAE/ドバイのこれからのビジネスチャンスについて考えると、それは大きく「新型コロナ対策/対応型」と「政府主導型」の2つに分けることができると思います。前者は主に人々が新型コロナに対応していくのに必要なものを提供するビジネス(例えばEコマースを活用した物販やEラーニング、オンライン診療など)を指し、後者はこの新型コロナを乗り越えるために政府が重視している領域のビジネスを指します。言い換えると、前者は世界の多くの地域に共通したビジネスチャンス、後者は中東やUAE/ドバイならではのビジネスチャンスということになるかもしれません。
この政府主導型のビジネスチャンスに関して、日本企業に大きなビジネスチャンスがあると考えられるものの一つが食糧安全保障の領域、すなわち植物工場や屋内水産養殖といった分野です。皆様もよくご存じの通りUAE/ドバイは砂漠気候に位置しているためほとんどの食糧を輸入に頼っており、食糧自給率は20%程度と言われております。この状況を改善すべく、これまでもUAE/ドバイではEmirates Flight Catering社による植物工場への大規模な投資が行われたり、Fish Farm社によるサーモンなどの屋内養殖が行われたりと、先進的な取り組みがなされてきました。
しかし、今回のこの新型コロナにより、今後世界各国で食糧の囲い込みが起こる可能性があることから、この分野のマーケットは今後更に飛躍的に拡大していくことが予想されます。そしてこうしたマーケット環境の変化は、日本企業にとっても大きなビジネスチャンスになるものと考えられます。具体的には、現地で独自に植物工場ビジネスを展開することはもちろんのこと、今後益々増えるであろう、植物工場事業への新規参入を検討している事業者に対する機器の販売や協業といったチャンスも増えていくものと考えられます。
こうして大きなチャンスが広がっている一方で、気を付けなければならない点もあります。それは、こちらでは必ずしもハイスペックな機器に対する需要が高いわけではなく、価格の優位性が求められやすいという点です。したがい、この分野でのビジネスチャンスを検討する際は、高付加価値な商品を生産できるハイスペックな機器、もしくは通常商品を安価に量産できる機器といったどちらかの方向性に舵を切るなど、マーケットニーズに即した現地化も重要になってくるものと考えられます。
ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAE・中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAEへの進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問合せください。