UAEで個人の権利やビザに関する規制が続々と緩和
UAEは中東諸国の中ではとても外に開かれ、イスラム法に縛られず個人が自由に暮らせるというイメージを持たれていますが、法律の観点から厳密に言えば、例えば個人がアルコールをUAE内で購入・消費するには政府発行のライセンスが必要であり、飲酒をしていた人が別の犯罪で逮捕された場合、飲酒が原因で起訴される可能性があるなど、特に外国人にとっては目に見えないリスクが存在していました。しかし、来年10月からの万博を控え、UAE政府はこうした問題の解決に乗り出しています。地元紙のThe Nationalは今月7日、政府に許可されたエリアでの飲酒は、たとえライセンスを持っていなくとも罪に問われなくなるといった規制緩和を報じています。
The National紙掲載
この記事では、アルコールの消費だけではなく、未婚カップルにより同棲の合法化や名誉殺人の犯罪化、自殺未遂の非犯罪化など様々な個人の権利に関する法規制緩和について紹介されています。
また、UAE政府は昨年5月に投資家や起業家、科学者などに対する10年ビザ(通称ゴールデンビザ)の発給を承認していましたが、このゴールデンビザの適用範囲が拡大され、医師やAI・データサイエンスの専門家、大学をGPA3.8以上で卒業した学生なども対象となることが今月発表されています。通常の駐在員ビザが2年もしくは3年更新であることを考えると、この10年ビザの効力はとても大きいものと考えられます。
コロナ禍により一部の経済活動が依然として制限されている状況ではありますが、ここまで見てきたようにUAE政府はこうした状況でもできることを着実に進め、コロナ後の経済回復のための布石を打っています。昨今紙面を賑わせているイスラエルとの国交正常化や、イスラム法に関わる規制緩和はイスラム教国家として決して容易なことではないため、こうしたところから「寛容」の精神で国の発展を目指すUAEの覚悟が見て取れます。
ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAE及び中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。