世界最大のソーラープロジェクトの事業者が決定
2020年7月26日、アブダビにおいて計画されている世界最大のソーラープロジェクトである” Al Dhafra Solar Photovoltaic Project”の事業者が決定しました。同プロジェクトは、TAQA(Abu Dhabi Power Corporationの傘下で多数のIPPに投資を行っている投資会社)とMasdar(国営の投資会社であるMubadalaの傘下で、主に再生可能エネルギー事業や低炭素事業を展開する事業会社)が中心となっています。また、海外からの事業パートナーとして、フランスのエネルギー事業者であるEDFと、中国のソーラーパネルメーカーであるJinko Powerが参画します。現地通信社であるWAMは、ステークホルダー間の電力調達価格契約(PPA, Purchase Price Agreement)と株主間契約(Shareholder’s Agreement)が締結されたと報じています。プロジェクトステークの60%はTAQAとMasdarで構成されるコンソーシアムが所有し、残りの40%はEDFとJinko Powerが所有することになります。プレスリリースによると、このプロジェクトの決算は2020年第3四半期に発生し、2021年上半期に初期の発電を開始し、2022年の上半期にフル操業が可能になる予定とのことです。本プロジェクトでは、アブダビ市内から約35キロ離れた地域において、合計2GWの容量を持つソーラー発電を導入する予定であり、完全な商業運転によって、アブダビのCO2排出量を年間240万トン以上削減することが見込まれています。また、この数字は、道路から約470,000台の自動車を取り除くことに相当します。コスト面でも本プロジェクトは既存のソーラー発電よりも競争力が高く、均等化発電原価(LCOE, Levelized Cost Of Electricity)がAED4.97fils/kWh(USD1.35 cents/kWh)に設定されています。このLCOEは既存の1.2GWのソーラー発電プロジェクトであるスワイハン発電所の発電コストよりも安く、アブダビにおいて安価な再生可能エネルギーをもたらす重要なプロジェクトとして位置付けられています。
現在、新型コロナウイルスや原油価格の下落といった影響から、中東地域における景気状況は必ずしも万全であると言える状況ではありませんが、一方で、各国が力を注ぐ分野のプロジェクトについては、投資が止まることもなく、継続的に資金が投入されている状況が続いています。その中には、日系企業様の有する知見やノウハウが優位に働くプロジェクトも多数あり、中東市場における事業機会は、まだ広がっていると考えられます。
当社はドバイの政府機関である投資受入庁(Dubai FDI)とパートナーシップを組み、連邦や首長国の政府機関に対する幅広いネットワークを有しております。弊社のノウハウやネットワークを活かした現地進出・事業展開にご興味がございましたら、是非一度お問合せください。