生活習慣病が社会問題化する中東、ドバイ
ドバイのメディアで、糖尿病患者が血糖値をチェックするためのウェアラブル端末が紹介されています。この端末はコインほどの大きさで、体に貼ることによる採血をしなくても血糖値測定が可能になるものです。
糖尿病患者は1日に数回、採血して血糖値を測定しなければならず、それが生活上大変な負担になっていることから、この端末が患者の生活を大きく改善してくれると報じられています。
こうした端末は昨年、UAE政府から自国民向けに配布されるなど、普及が進んでいますが、その背景にはUAEや中東地域に糖尿病や肥満といった生活習慣病が蔓延していることがあります。
http://www.khaleejtimes.com/news/uae-health/wearable-sugar-testing-device-for-diabetics-in-uae
WHO(世界保健機関)の統計によると、UAEでは男女とも70%以上の人が「太り過ぎ」(BMIが25以上)となっており、さらに男性の30%以上・女性の40%以上が「肥満」(BMIが30以上)となっています。
さらに糖尿病患者も人口の1割弱を占めています。
http://www.who.int/diabetes/country-profiles/are_en.pdf?ua=1
肥満は子供にも広がっており、40%以上が「太り過ぎ」、20%以上が「肥満」となっていると報じられています。
https://www.thenational.ae/uae/health/childhood-obesity-in-uae-is-a-growing-problem-1.148273
このような深刻な事態を受けて、UAE政府としても糖尿病や肥満の対策には力を入れており、冒頭でご紹介したような端末の普及にもつながっています。
過去には、「減量成功者に金(Gold)をプレゼントするキャンペーン」がドバイ政府により開催されたこともあります。
https://www.cnn.co.jp/fringe/35034960.html
ビジネス上でも上記のような背景と、政府が推進するメディカルツーリズムの活動により、中東地域のヘルスケア市場には大きな成長が見込まれています。
UAEのヘルスケア市場は2016年から2021年の5年間で60%成長し、その規模は28億ドルになるという研究結果も発表されています。
(出典:MENA Research Partners “UAE Healthcare Report”)
日本から輸出が期待できる商品としては、まず医療器具やダイエット食品、フィットネス用品といった直接的に健康を改善する商品が考えられます。
さらに、健康な食生活への関心が高まっていることから日本の食品産業にとっても大きなチャンスがあります。
お茶やグルテンフリー食品(米粉を活用した商品など)は現在、中東市場でも大きな注目を集めている商品です。
ただし、健康への効果を謳う商品やヘルスケアサービスの展開にあたっては、日本と同様に規制や許認可の問題もあるため、こういった点に十分配慮する必要があります。
ksnコーポレーションでは、中東やUAE(ドバイ)のヘルスケア分野に関する市場動向を日頃から調査するとともに、規制内容やそれをクリアするための対応に関する知見も備えております。
弊社のノウハウを生かした市場調査/規制調査や、自社ヘルスケア商品/サービスの中東展開にご興味がございましたら、是非一度お問合せください。