■中東ビジネス最新情報 ・2021年10月20日
UAE／サウジアラビアの新型コロナウイルスに関する最新動向
2020年初より長きに渡り感染拡大を続けており、我々の生活様式をガラリと変えてしまった新型コロナウイルスですが、中東におけるUAE及びサウジアラビアでは、最近、感染状況に落ち着きが見られるようになってきました。UAEでは2021年８月に一日あたりの新規感染者数が1,500人程度を記録していましたが、現在では当時と比較して90%以上減の100人前後にまで縮小しています。2021年10月17日には、新規感染者数が99人と、2020年5月以来初めて100人を切ったことが大々的に報道されています。一部では、2021年10月より開催される万博の影響で、さらに感染拡大が心配されるのではないかという指摘もありましたが、現時点では感染者数を抑え込んでいると言える状況です。ワクチン接種率も1回以上接種した人が人口の96%、2回接種した人が人口の86%と高い水準で推移しており、UAEが今後も感染拡大を抑え込み、観光客やビジネスマンによる活動が戻ってくることが期待されています。（参考文献1）
また、UAEの隣国であるサウジアラビアにおいては、2021年8月初旬には、一日あたりの新規感染者数が1,200人程度を記録していましたが、現在では50人以下にまで縮小しています。これまで制限があったレストランや集会、公共交通機関等での人数制限や、外出時におけるマスク着用義務といった規制が2021年10月19日より緩和され、徐々に新型コロナウイルスが蔓延する前の生活様式が取り戻されつつあります。（参考文献2）特にサウジアラビアの経済に大きな影響を与えると考えられるのが、イスラム教の聖地であるメッカのモスクにおける収容人数の制限が撤廃され、従来通りのキャパシティでの使用が認められるようになった点です。（参考文献3）この規制緩和により、多くの巡礼者が今後、サウジアラビアを訪問することが予想され（ただし、ワクチン接種済みの人に限る）、サウジアラビアにおける観光業の回復が期待されます。
このように、UAE及びサウジアラビアにおいては、新規感染者数が低水準で推移しており今後、本格的な経済活動の再開が加速していくと考えられます。それに伴い、ここ2年間で進みが遅くなっていたプロジェクトや計画の推進も再開されると想定されることから、中東地域におけるビジネスチャンスがより拡大していくものと考えられます。
ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介等といったご支援をさせて頂いております。UAE及び中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。
参考文献
1 https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-10-17/uae-covid-cases-fall-below-100-for-first-time-since-march-2020
2 https://economictimes.indiatimes.com/news/international/saudi-arabia/saudi-arabia-eases-covid-precautionary-measures/articleshow/87102204.cms
3 https://www.aljazeera.com/news/2021/10/17/grand-mosque-in-mecca-drops-social-distancing
