中東ビジネス最新情報 ・2020年8月11日

中東地域で拡大する廃棄物処理ビジネス

UAEをはじめとした中東地域ではこれまで、廃棄物は広大な砂漠に埋められるのが一般的でしたが、この状況は少しずつ変化しつつあります。UAEの主要首長国の一つであるシャルジャに本拠を構えるBee’ahという会社は、ごみ処理ビジネス事業を急拡大させており、UAEのみならず周辺国でも存在感を強めています。それを示す例の一つとして、同社がサウジアラビアにあるメディナ市の3つの地区より廃棄物の収集、運搬、そして消毒事業を受託したことがUAEの地元紙で報じられています。

https://www.thenational.ae/business/sharjah-based-bee-ah-focuses-on-saudi-expansion-after-winning-three-contracts-1.1061246

同紙によると、Bee’ahはこのプロジェクトのために3,000名の作業員と350代の重機を投入するとのことで、同社はサウジのみならず、エジプトの新首都の廃棄物処理事業も受託しているとのことです。もちろん本拠であるUAEにおけるプレゼンスも高く、Bee’ahはアブダビやシャルジャ、そしてドバイ(Burj KhalifaやDubai World Trade Centreなど)でのごみ処理事業も請け負っており、全ての国での年間廃棄物処理量は300万トンにも及びます。

2007年に設立されたBee’ahですが、その最大の強みは中東地域では最高となる76%という廃棄物転換割合にあるようです。これはすなわち、収集された廃棄物のうち76%がリサイクルもしくは再利用され、埋め立てられるのは24%のみということを意味しています。こうした実績を背景に、同社は野心的にビジネスを拡大させています。

Bee’ahは現在シャルジャにて、アブダビのMasdar社と合弁で、UAEでは初となるごみ処理発電所建設プロジェクトを進めており、また今後は埋め立て地での太陽光発電といったプロジェクトも開始する予定とのことです。

Bee’ahのこうした躍進からも分かる通り、中東地域のごみ処理ビジネスは拡大期にあると言えます。サウジアラビアの国家ビジョンであるVison 2030では、2030年までに廃棄物のリサイクル率を85%まで上昇させることが目標の一つとして取り上げられていることからも、廃棄物処理は国家単位で重要視されていることが見て取ることができ、今後は更に多くのプレーヤーが市場に参入してくるものと考えられます。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAEへの進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問合せください。


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