中東地域における新型コロナウイルスを取り巻く状況(更新)
今世界の関心事となっている新型コロナウィルス(COVID-19)ですが、中東地域でも感染拡大が続いています。以下のグラフはGCC6か国の下1週間単位の感染者数(合計)の推移(2020年4月7日時点)を示しており、特にサウジアラビア、UAE、カタールで急速に感染が広まっていることが分かります。サウジアラビアではモスク閉鎖、巡礼中止などの措置が取られてきましたが、3月23日より外出禁止令が発令されレストラン等の営業停止等、多くの民間企業の営業が停止しているものの、依然感染者数は増加傾向にあります。
カタールでも3月15日頃から公共交通機関の停止、レストラン店内での飲食禁止等の対策を講じてきましたが、以降の感染者数急増を受け3月末より食料品店、薬局等を除く店舗の閉鎖措置等、対策を強化しています。また公共の場での集会の禁止、限られたエリアでの外出禁止は行われているものの、この1週間での感染者急増を止めることが出来ていない状況です。
UAEでは3月26日から発令していた夜間外出禁止令を2週間延長しており、特にドバイでは24時間の外出禁止令が発令され、事実上のロックダウンとなっており、商業活動への影響が懸念されています。
このように外出が制限される状況が続く中、各国のヘルスケア・公衆衛生管理に関わる省庁からは最新情報や対策がウェブサイトやSNS等を通じて積極的に発信されています。Dubai Health Authorityではマスクのつけ方、車内や家の中で注意すべきこと等、細かい対策方法を英語、アラビア語で発信している他、4月6日からはメッセージアプリのWhatsapp内において公式アカウントも開設し24時間市民からの質問を受け付ける体制を構築しています。
ラマダンの開始が4月23日にせまる中、モスクの閉鎖や集会の禁止措置が続く今、どのような対処がされるのかが今日、各国政府より発表されるものと想定されるため、引き続き注視が必要な状況です。