砂漠で農業?太陽光利用型植物工場が収穫を開始
ArrayUAEは食料自給率が非常に低く、The National紙によると、国内で消費される食品の80%を輸入に頼っているとのことです。
一方でUAEの人口及び観光客の増加による大幅な食品に対する需要拡大により、食品製造業は成長産業と認識されており、今後も大幅な拡大が見込まれています。
Khaleej Times紙によると、2016年のUAEにおける年間食品消費量は約4,800万トンでしたが、2021年には約5,900万トンまで拡大すると見込まれているとのことです。
こうした食品需要の拡大に対応し、フードセキュリティを向上させるためにも、UAEにおいてはこれまで多数の企業が植物工場等による野菜の製造に挑戦してきました。
日系企業の例では、神奈川県のメビオール社が、特殊フィルム「アイメック」を活用し、ドバイから車で1時間程度離れたアルアインという砂漠の真ん中で、フルーツトマトの製造を行っています。
また、日本国内において世界最大規模の日量21,000株のレタスを生産する植物工場プラントを有する京都府のスプレッド社もUAEの農業関連企業に同システムを供給することで合意し、約300の企業・研究者とも協議中とのことです。
日本企業も注目している砂漠での農業ですが、メビオール社が農業を展開する地域と同地域のアルアインにおいて、太陽光利用型植物工場を建設・運営しているベンチャーのピュア・ハーベスト社が、トマトの初収穫を実施したと報道されました。
同社の施設は、太陽光利用型では世界トップの技術ノウハウを保有するオランダ各社がタッグを組んで建設・運営サポートを行っており、非常に高品質なキャンディートマトやチェリートマトの生産に成功したうえ、当初の想定より20%多い収穫量を記録したと言われています。
ピュア・ハーベスト社は更なる規模拡大に向けて約10億円の資金調達を開始すると言われており、Emirates Development Bank等が投資に意欲を見せていると報道されています。
こうした一次産業はもちろん、二次産業(食品加工業)も今後はUAE国内において成長するマーケットとして認識されています。
日系企業にとって、これまではあまり縁のなかった中東地域での食品製造・加工市場における事業機会が拡大するものと考えられます。
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