中東ビジネス最新情報 ・2021年12月6日

UAEにおける水素戦略の加速

UAEのクリーンエネルギー企業であるマスダール(Masdar)社とフランスの電気事業者・ガス事業者であるエンジー(ENGIE)社は、50億ドルを投じて2030年までに2GWの再生可能エネルギーと水素プロジェクトを開発する計画を発表しました。UAEは2050年までにネットゼロエミッションの実現を目標として掲げており、本プロジェクトもこの目標達成に寄与する重要な位置づけであると、アブダビ政府のメディアオフィスが2021年12月3日にTwitterで発表しました。

また、UAEの原子力発電所を担当するエミレーツ・ニュークリア・エナジー(ENEC)社は、低炭素水素の研究開発に投資する契約をフランス電力公社(EDF)と締結しました。アブダビ政府のメディアオフィスは、「世界最大の電力生産者であるEDFとの協定は、二国間の協力関係をさらに強化し、平和的な原子力エネルギー分野での知識交換を可能にすることを目的としている」と述べています。

UAEの国営通信社であるEmirates News Agency(WAM)によると、UAEはロシアと原料水素および水素を主成分とする混合燃料の製造、液化、使用に使用する機器の製造で協業することも発表されており、世界各国の技術国との連携を図り、水素戦略を加速していることが伺えます。

UAEは、国連気候変動会議で「水素リーダーシップロードマップ」を発表し、2030年までに低炭素水素の世界シェアを25%にすることを目標に掲げています。また、UAEのアブダビ国営石油公社(ADNOC)は、政府系ファンドのムバダラ(Mubadala)社とともに、再生可能エネルギーとグリーン水素の事業をマスダール社に統合し、2030年までに23GWから50GWをはるかに超える容量に増強する計画を発表しています。

このようにUAEは中東・アフリカ地域はもちろん、世界的にも先進的な水素生産国のポジションを確立しようと様々な取り組みを進めています。こうした新たな技術開発や取り組みの推進に際しては、日本企業にとっての協業分野やビジネス機会も拡大すると考えられます。

ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介といったご支援をさせて頂いております。UAE及び中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。

参考文献:
S&P Global Platts (https://www.spglobal.com/platts/en/market-insights/latest-news/energy-transition/120521-uaes-masdar-engie-to-invest-5-bil-in-renewables-hydrogen)





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