UAEにおける観光業の回復
アラブ首長国連邦(UAE)のEmirates Tourism Council(首長国観光評議会、ETC)は、2021年上半期(1月~6月)のUAEにおける観光業の収益が113億AED(約3,400億円)であったと発表しました。この数字は、86億AED(約2,600億円)であった前年同期と比較して約30%上昇しており、同期間のUAEにおけるホテルの稼働率も前年の53%から62%まで回復したとのことです。UAEを訪問し、UAEのホテルにおいて宿泊を行ったゲスト数についても、前年同期比で15%増の830万人であったと公表されており、UAEの観光業が回復基調にあることが改めて強調される結果となっています。海外からの観光客数が回復する一方で、新型コロナウイルスの影響により、これまではさほど大きな市場でなかった国内旅行についても、市場が拡大していると言われています。報道によると、2020年の上半期と比較すると、2021年の上半期に国内旅行に出かけ、ホテルに宿泊した人の数は約77%増の230万人まで増加したとのことです。従来、UAEの在住者は、長期間のホリデーシーズンになると、欧州や避暑地へバケーションに出かけるケースが多くみられましたが、国外へ出かけることが困難になってしまったことで、思わぬ形で国内旅行の需要が拡大しています。
また、ETCは現在、連邦の経済省(Ministry of Economy)と共同で、海外からの旅行客を増加させることを目的としたアクションプランを立案しています。そのプランには、大規模なプロモーションイベント等の予定が含まれている他、長期間及び5年間有効かつ複数回入国可能な観光ビザの発給等といったこれまでとは一風変わった施策も盛り込まれているとのことです。
ドバイでは10月より万博が開催されることもあり、これまでドバイの経済を支える一つの主要産業であった観光業のさらなる回復が期待されています。常に新規の投資や開発を行うことで、観光客を飽きさせず、より多くの観光客を呼び込もうとするUAEの積極的な姿勢は、想定よりも早く、UAEに訪れる観光客数を新型コロナウイルス前の水準まで、戻すことになるかもしれません。
ksnコーポレーションでは、ドバイ政府機関との提携関係の下、UAEや中東市場における各種規制の調査から参入戦略の立案、現地パートナー候補のご紹介、展示会出展のサポートといったご支援をさせて頂いております。UAE及び中東地域への進出や販路開拓にご関心をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせください。
参考文献:
The Arabian Business (https://www.arabianbusiness.com/travel-hospitality/467346-uaes-half-year-tourism-revenues-rise-to-3bn-as-covid-recovery-continues)