教育サービスの海外展開にチャンス -教育分野への投資が盛んなUAE-
UAEの大学が、QS(Quacquarelli Symonds)の公表する新興大学ランキングに掲載されたと報じられています。https://www.khaleejtimes.com/news/education/abu-dhabi-university-ranked-among-worlds-top-150-universities-under-50-years-old
このランキングは、50年以内に設立された大学について、教育の質や就職状況をスコア化し、順位付けしたものです。
UAEからは、United Arab Emirates UniversityやAbu Dhabi Universityなど6校がランクインしています。
UAE政府の国家予算に占める、教育分野への支出割合は20%にも及んでおり、教育に非常に力を入れていることがわかります。
国家予算に占める教育分野への支出割合は、OECD諸国では高くても7-8%、日本では5.5%(平成28年度一般会計予算)にすぎないことを考えると、これは驚異的な数字です。
現在は豊富な天然資源により豊かな国が実現されている中東諸国ですが、資源の枯渇や代替エネルギーの登場に備えるため、獲得した富を様々な分野に投資することで産業の多角化を図っています。
特に教育は、未来を担う人材を育てるという意味で最も重視されている投資分野ということができるでしょう。
UAEでは、日本の教育制度にも関心が高まっています。
日本が資源も乏しく、国土も狭い中で発展を遂げた背景には、優れた教育システムが存在すると考えられていることが、こうした高い関心を産んでいる要因の1つです。
実際、今年4月にUAE外務大臣・教育大臣が日本の松野文部科学大臣(当時)と会談をした際にも、日本の教育システムへの関心と国家間協力の要望が伝えられています。
(参照:「アラブ首長国連邦(UAE)の外務・国際協力大臣アブダッラー殿下とハンマーディ教育大臣が松野大臣を表敬訪問「両国間の教育分野での交流・協力関係の推進を」|外務省ウェブサイト)
民間レベルでも、公文式(KUMON)は中東諸国の関心を集めており、バーレーンで複数の教室が開かれているほか、ドバイやカタールでは学校教育にKUMONの手法が採用されています。
(参照:
「世界への広がり」|公文式ウェブサイト
「カタールの小学校で公文式学習開始|公文式ウェブサイト)
このほかにもドバイとアブダビにある日本人学校に設けられているUAE人枠が高倍率となっていることや、日アブダビ教育・交流センターを通じた留学プログラムなど日本の教育システム、教育サービスは中東で高い関心を集めていると言えます。
以上見てきたように、UAEでは教育分野に莫大な予算が投入されており、また日本の教育への関心も高いことから、教育サービスを提供する企業にとって魅力的な市場であると考えられます。
KUMONの例に見られるように、これは他の中東諸国にも見られる傾向です。
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