ドバイへの進出・販路拡大を考える(1)
なぜUAE・ドバイへの日本産品・ブランドの進出が進まないのか
近年UAEではヨックモックをはじめとした日系食品ブランドの進出が始まりましたが、まだその進出数は数件と大変少なく、東南アジア諸国とは比較にならない状況です。UAEはシンガポールや香港よりもGDP規模が大きく、また一人当たりGDPをとっても香港や日本よりも高いため、中東市場へのゲートウェイとして大変魅力的で重要な国ですが、このように日本産品やブランドの進出はまだまだこれからといった状況です。
ではなぜこのようにUAEやその商業的中心地であるドバイへの日本産品・ブランドの進出が進んでいないのでしょうか。
商品・ブランドの製造・販売者の立場から見ると、それはUAEの外資規制、そして何よりUAEには日系の百貨店やショッピングモールがない、ということに依るところが大きいと考えられます。
UAEの外資規制とはすなわち、UAEでは基本的に外資企業単独での会社設立は認められておらず、株式の過半を現地企業に渡す必要があるということを指します。
フリーゾーンなど一部の区域では外資の100%株式保有が認められていますが、フリーゾーンからUAEのマーケットに対して商品を直接販売することは禁止されているため、「UAEで商売をする=現地パートナーが必要」という図式が成り立っています。
そして東南アジアの各国には高島屋、伊勢丹、イオンモールなど日本産品・ブランドを売りやすい場が既に存在しており、これらが日本商品の発信基地そしてエントリーポイントとしての大きな役割を果たしています。
従い、エントリーポイントが見つかり難くなおかつ現地パートナーが必須なUAEは東南アジア諸国と比較して参入障壁と心理的な壁が高いマーケットと映ってしまっているのではないでしょうか。
しかし、これは裏を返せば「一度うまく入ってしまえば市場を占有しやすい」マーケットということも可能です。前述の通りUAEは経済規模が大きく富裕層も多いため、そのポテンシャルは計り知れません。
ではこの有望市場に進出するためには何が必要となるのでしょうか。
次号以降では弊社のこれまでの経験やノウハウに基づき、UAEへの進出・販路拡大を検討している企業、自治体が抑えるべきポイントにつき解説していきたいと思います。
ドバイへの進出・販路拡大を考える(2) 「ドバイでは現地パートナーがいないとビジネスはできない」は本当か?
ドバイへの進出・販路拡大を考える(3) 代理店選定時のポイント