ドバイへの年間訪問者数は? -観光立国政策による莫大な経済効果-
UAEの人口は900万人程度であり、神奈川県と同程度です。しかし世界のハブであり、魅力的な観光スポットも多いUAE(特にドバイ)には毎年多くの旅行者・出張者が訪れています。
そこで今回はUAEへの訪問者数、そしてそれによりもたらされる経済効果に関する統計をご紹介します。
世界第4位の訪問者数を誇るドバイ、世界第3位の訪問者数成長率を誇るアブダビ
MasterCardが毎年発表する「Global Destination Cities Index 2016」(PDF)によれば、年間約1,500万人もの人々がドバイを目的地として訪れています。これはバンコク、ロンドン、パリに次いで世界第4位の訪問者数となっています。
さらに、ドバイは、訪問者数の増加率も9.07%で世界第20位にランクインしています。
もう1つの主要都市であるアブダビに訪れる人の数は、年間約300万人です。
アブダビは訪問者の増加率では19.81%となっており、世界第3位の増加率となっています。
都市型の新興国家として、ドバイと比較されることの多い香港やシンガポールと比較すると、以下のグラフのようになります。
グラフ:都市別の年間訪問者数(MasterCard「Global Destination Cities Index 2016」を元に作成)
このように見ると、UAEにはかなりの数の人々が訪れていることがわかります。
また、国別に見ても以下のグラフのように、周辺国や南アジア、ヨーロッパ、北米と様々な地域から人々が訪れていることも、UAEの特徴と言えるでしょう。
グラフ:ドバイを訪れた旅行者の国別内訳(主要5カ国)(Dubai Statistics Center「Visitor by Nationality 2016」をもとに作成)
旅行者がもたらす莫大な経済効果
これまで見たように、旅行者の数でも世界トップクラスを誇るUAE・ドバイですが、さらに特徴的な点として、旅行者の消費傾向があります。以下のグラフは旅行者が使った金額ですが、訪問者数では4位だったドバイが2位以下の都市を圧倒してトップになっています。
一人当たりの消費額を見ても、2位のニューヨークを大きく離しています。
グラフ:都市別の旅行者消費額(「Global Destination Cities Index 2016」 MasterCard を元に作成)
さらに、ドバイでは消費額のうち31.0%が「Shopping」によるものであり、この数字が比較的高いことも特徴です。
実際、ドバイには世界最大のショッピングモールであるDubai Mallなど、いくつもの巨大モールがあり、これらは旅行者を含む多くの観光客で賑わっています。
画像:ドバイモールの様子
こうした消費がUAEの経済に大きな影響を及ぼしていることは想像に難くありません。
UAE政府の統計によれば、副次的なものも含めた旅行産業のGDPへの貢献は434億ドルとなっており、GDPの実に12.1パーセントを占めています。
UAEのGDPのうち、20-30%は石油・ガスといった天然資源関連のものであることを考えると、これは非常に大きな割合です。
世界のショーケース、UAE
以上見てきたように、UAEには非常に多くの人が訪れ、多くのお金が消費されています。この状態は、天然資源の枯渇を見据え、産業の多角化を目指す中でUAE政府が観光立国を1つの柱となる戦略として据え、長年取り組んできたことにより達成されています。
現在も訪問者数や消費額といった数値は年々高いペースで伸び続けており、さらに2020年の万国博覧会に向け一層増えていくことでしょう。
世界中から人々が訪れ、買い物をするドバイで商品の販売を成功させることができれば、それらの人々が帰国した先でも商品を展開することが容易になります。
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