中東ビジネス最新情報 ・2019年3月21日

オマーンでは6月から一部の商品の税率が100%に?!

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3月13日、オマーンで“sin tax”と呼ばれるいわゆる悪行税が6月から施行されることが決定しました。
カーブース・ビン・サイード国王によって発行された勅令によると、サウジアラビアやUAE、バーレーン、カタールにおけるここ数年の動向に同調し、たばこ、アルコール、豚肉、エナジードリンクに100%の税を課し、炭酸飲料には50%の税を課すとしています。

製造業に課せられていることから「物品税」とも称されるこの税金は、健康や環境に有害であると見なされる商品に適用されます。
オマーンの保健省は9,000人以上に対し健康調査を行い、その結果この10年間で糖尿病患者は3%以上増加し人口の3分の2以上の人が糖尿病を患っていること、さらに成人男性10人の内1人が喫煙し、約40%に上る人々が自宅や職場で受動喫煙を受けていることが判明しました。

今回の施策は2016年にGCC6ヵ国で決議された物品税の導入に対応して施行されるものです。
物品税は2017年6月にサウジアラビアで初めて施行され、続いてUAE、バーレーンがたばこと砂糖のたくさん入った飲み物に税を課す様になりました。カタールではそれらに豚肉とアルコールが追加された形で2018年1月から施行されました。クウェートでは未だ施行されてはいないものの、たばことエナジードリンク、ソフトドリンクに対し物品税を課す原案が出来上がっています。

GCC諸国は健康的な生活を促進する一方で、悪行税は歳入を増やす手段であると認識しています。
UAE政府の公式ウェブサイトでは悪行税の目的を「不健康で有害な商品の消費を削減すると同時に政府の歳入を増やし有益な公共事業に投資する」と明記しています。
この悪行税では少なくとも約288億円が毎年政府の歳入として加わることとなる、と経済財政委員会長のサーレハ・ビン・サイド・マサン氏は述べています。
しかしオマーンでは石油とガスの輸出に産業を依存しGCC諸国内で最も経済状況が悪いとされており、先週Moody’sは原油価格の下落による状況を鑑み、オマーンの信用を格下げしたと発表しました。政府は悪行税だけでなく、経済をより安定させる政策を打ち出すことが必要不可欠であると見られています。

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