アブダビBarakah原発稼働の遅れとその影響
ArrayUAEでは化石燃料を使用した火力発電からの脱却を目指した動きが進んでおり、その一つの目玉となっているのが中東地域で初めての原子力発電所となるアブダビのBarakah原発です。
このBarakah原発は、原子炉4基分の入札が2009年に行われ、韓国の企業連合がこれを落札して建設がスタートし、当初は2017年からの稼働が予定されていました。
しかし実際は2017年には間に合わず、2018年からの稼働に計画が変更されていましたが、この度Emirates Nuclear Energy Corporation(ENEC)は稼働がさらに遅れ、2019年末もしくは2020年まで遅れるとの発表がなされました。
なお、この遅れに関する理由は公表されていません。
https://www.utilities-me.com/contracts/11526-launch-of-uae-nuclear-power-plant-delayed-further
ENECによると、1号基は現在規制当局からの安全性確認と承認を待っている状態であり、2号基は工事の93%が、3号基と4号基はそれぞれ83%、93%が完了しているとのことですが、この遅延からも分かるように、先行きに透明感がないというのが実情です。
このBarakah原発は4基全てが稼働すればその発電量は5,600メガワットとなり、これはUAEの電力需要の25%程度を満たす規模になるとのことなので、この大きな遅れはUAE経済にとっても様々な影響を及ぼす可能性があるものと考えられます。
CIA World Factbookによると、2010年時点で66.0 billion kWhであったUAEの電力総消費量は、2018年には110.6 billion kWhまで増加する見通しとなっており、いかにUAEの電力需要が急速に伸びているかを見て取ることができます。
政府としては当然この需要を満たすための方策を検討する必要があり、原発の稼働が大幅に遅れるということになれば、他の方法による発電に目が向けられるようになる可能性があります。
ただし、冒頭でも述べた通りUAEは化石燃料を使用した発電からの脱却を図っていますので、再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギーがこの代替手段として取り入れられる可能性も出てくるのではないでしょうか。
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